糖尿病が気になる人にとって、いいシーズンの始まりです。というのも、秋に入ると「HbA1c」の数値が低くなるからです。とりわけ9月から10月が、一年を通してもっとも低い値になることが多くの研究から分かっています。
数値は「糖化ヘモグロビン」と呼ばれる物質の量を測定します。赤血球中のヘモグロビン分子が血液中のブドウ糖(血糖)と結合してできたものが、糖化ヘモグロビンです。血糖値が高い人ほどより多くできることが分かっています。
HbA1cは、全ヘモグロビン分子の中で、糖化ヘモグロビンに変化したものの割合を示した値です。
たとえば、HbA1c値が6.0なら、全ヘモグロビンのうち6%が糖化ヘモグロビンに変化しているという意味です。糖化ヘモグロビンは1~2カ月で半分以上が分解されて入れ替わっていくため、HbA1c値は直近1~2カ月間の平均血糖値を反映しているというわけです。
死を招く病気は秋に発症する