死を招く病気は秋に発症する

秋の花粉症は口腔アレルギーを合併して重症化のケースも

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 幸いなことに、雑草の花粉は飛翔距離が長くありません。せいぜい数十メートルまでです。スギやヒノキの花粉は山肌の上昇気流に乗って、上空1000メートル以上に達し、風に運ばれて数十キロから100キロ以上も飛翔します。しかし、雑草は背が低いため、地面を這う風に運ばれるのみで、あまり遠くまでは飛んで行けないのです。

 ですから、雑草が茂っている場所から100メートルも離れれば、大きな被害を受けずに済むはずです。

 雑草による花粉症は、「口腔アレルギー症候群(OAS)」と呼ばれる合併症を引き起こすことがあります。果物や生野菜を食べたときに、口の中や舌がかゆくなる、喉がイガイガするなどの症状のことです。実は雑草の花粉が持っているアレルゲンと、果物や野菜のタンパク質の構造が似ていることがあります。そのため、口の中でアレルギー反応が生じてしまうのです。

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永田宏

永田宏

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。