独白 愉快な“病人”たち

松枝茂房さん 週1回の加圧トレーニングで叶えたプロ復帰

プロボウラーの松枝茂房さん(C)日刊ゲンダイ

 診断されたその日から松葉づえを突く生活が始まり、医師からは筋肉を付けるよう言われました。筋肉が付くと股関節の骨と骨の間が広がり、骨同士がこすれることがないので痛みは起きない。痛みさえ抑えられれば日常生活は取り戻せるとのことで、病院に通ってリハビリを開始しました。

 もちろん、ボウリングを諦める気持ちはありませんでした。目標はあくまでもプロ復帰です。ところが、3~4カ月後に自転車で出かけて転んでしまい、壊死のある骨頭が陥没骨折してしまったんです。さすがに“これはもう復帰はダメかな”と思いました(笑い)。

 医師からは手術を勧められました。骨頭を内側に倒す内反骨切り術や人工骨頭置換術など、いろいろ説明されましたが、手術で取り戻せるのは日常生活が送れる程度まで。1日15ゲームを3日間投げ続けるハードなプロ競技に耐えられる脚には戻らず、股関節の可動域も狭くなってしまうと知り、手術はせずに筋力トレーニングでなんとかしようと決意しました。

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