これで痛みを取り除く

虫歯はエナメル質にとどまっているうちに治療すべし

 歯髄炎には、歯髄の一部に炎症が起こる「一部性」と、歯髄の全体的に炎症が及ぶ「全部性」があり、それによって自発痛の頻度や強さが異なってくるという。

 歯痛は治療で取り除けるが、虫歯が歯髄に到達しているかどうかで治療内容が違う。虫歯が象牙質でとどまっていれば、虫歯の部分を削ってプラスチック性の詰め物でふたをする「レジン修復」を行う。削る部分は、歯に「齲蝕検知液」を垂らすと虫歯の部分が赤く染まるので、それを目安に削るという。

「虫歯が歯髄と交通してしまっている場合には、神経を取る『根管治療』を行います。神経に沿って周囲の歯も削りながら神経を取ります。そして、神経のあった穴をゴム質材料(ガッタパーチャー)でふさぎます」

 ただし、一度、細菌感染してしまった根管(神経や血管が通る管)を完全に無菌化することは非常に困難。一般的に根管治療の成功率は60~80%程度とされている。

 治療後に細菌が歯の根の先端部分まで達し、根先が化膿してしまう病態を「根尖(こんせん)性歯周炎」という。この場合も、自発痛や噛むと痛い咬合(こうごう)痛などの歯痛の原因になるという。

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