死を招く病気は秋に発症する

夏と秋で異なる食中毒の原因菌 9月は毒キノコにも要注意

「クサウラベニタケ」はシメジと間違いやすい姿をしている(写真)/(C)日刊ゲンダイ

 秋は夏よりも食中毒が多いといわれています。過去5年間(2011~15年)の平均をとってみると、8月が1103人であったのに対し、9月は1399人、10月は1162人という具合で、確かに秋に増える傾向にあることが分かります。

 また、症状が軽いと病院に行かない人も大勢いるので、実際の患者数はこの数字の10倍以上になるともいわれています。

 夏と秋では食中毒の原因菌が異なっています。夏場に多いのは「サルモネラ菌」「ブドウ球菌」「ボツリヌス菌」といった、誰でも名前ぐらいは聞いたことのある細菌です。

 一方、9月に増えるのが「ウェルシュ菌」と「カンピロバクター」。あまり聞かない名前ですが、食中毒菌の常連に属しています。「ウェルシュ菌」は主にカレーやシチューなど、作り置き料理の鍋の中で繁殖します。熱に大変強く、とくに芽胞と呼ばれる状態になると、100度の加熱でも数時間も生き続けるといわれています。「食中毒は温め直せば大丈夫」と高をくくってはいけません。腸内に入って増殖すると毒素を放出し、腹痛や下痢などを引き起こします。

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永田宏

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。