気象予報士の医師が教える“病気予報”

高温注意報と貧血症状 「熱中症」初期症状との混同に注意

 30度以上の真夏日が続くと、いつの間にか脱水状態となり、頭がクラクラしたり、めまいがしたりして、いわゆる貧血のような症状が出現しやすくなります。

 この場合の「貧血」は、必ずしも血液中のヘモグロビンが基準値未満である「医学的な貧血」と同じではないことに注意が必要です。このような症状は、ひょっとしたら熱中症の初期症状かもしれません。

 熱中症にはⅠ~Ⅲ度の3段階があり、Ⅰ度は、めまい、立ちくらみなどの比較的軽い症状にすぎず、意識は清明なので見過ごされる可能性があります。そのまま高温多湿の環境にさらされ続けると、いつの間にか熱中症がⅡ度、Ⅲ度へと進行し、頭痛、倦怠感の後、意識がボーッとして、けいれん発作を起こしてしまうことがあります。

 対策は、体の冷却、こまめな水分補給とナトリウムの補給です。外出先や冷房のない室内で汗をかき、頭がクラクラしてきたら「熱中症かな?」と早めに疑うことが重要です。

 もし、症状の改善が見られなければ、ちゅうちょせず医療機関を受診しましょう。