台風後に風邪症状が出たら「人獣共通感染症」の疑いあり

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 宮崎県の場合、確認された患者数は8人だったが、病気の80%は軽い症状で治るため、病院に行かない人も多い。実際の患者数はさらに多かったとみられている。

「この病気は1~2週間の潜伏期間があり、最初は風邪に似た症状なので軽く考えがちです。しかも水害の直後だけに表れるわけではありません。病気を引き起こすレプトスピラは、淡水や湿った土壌の中に数カ月は生息できるといわれています。実際、高知県の例では大雨が降った10日後の作業で4人中3人が高熱を出して入院しています」

 とはいえ、「レプトスピラ症は動物がたくさんいて、農作業や土木作業の多い田舎の病気。都会の人には無縁だ」と思う人もいるかもしれない。しかし、それは間違いだ。1999年の沖縄・八重山地区では、ウオーターレジャー関係者が集団感染した。

「最近は、地球温暖化の影響か、これまでにない集中豪雨が相次ぎ、都市部でも下水があふれだすなど、レプトスピラ症感染のリスクは高まっています。時間が経った後でも大雨で浸水した河川や水田にはむやみに入らない、下水があふれた水には触れない、水害の後始末で水につかったり、泥に触れたりする場合はゴム長靴や手袋を使用する。用心することです」

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