便秘症で下剤が手放せない人は気をつけましょう。「松生クリニック」(東京都立川市)の松生恒夫院長の回答です。
「下剤は飲み続けるとだんだん効かなくなり、量が増えてしまいます。しかも症状が確実に悪化するので、飲む量と回数を減らす努力をすべきです」
通常、排便するときは腸の内容物が、ぜん動運動により直腸に送られ、直腸反射により便意が生じます。
一方、市販の下剤の7割以上を占める「アントラキノン系下剤」は、大腸を刺激し、排便を促します。この刺激が繰り返されると、腸が自力で運動できなくなっていき、直腸刺激も失われていきます。
「さらに言えば、アントラキノン系下剤を長期間使用すると、大腸メラノーシスが発生する恐れがあります。大腸メラノーシスは大腸の粘膜が黒ずんだ状態を招き、腸管運動の低下を起こすことがあります」
だから下剤を飲み続けると便秘が悪化するのです。とはいえ、何日も出なくて苦しいときは、薬に頼りたくなりますが……。
「必要なときに補助的に使うだけならいいのです。薬に頼りっぱなしにならないように、まずは食生活を改善しましょう。食物繊維や乳酸菌の豊富な食品、それにオリーブオイルを取るのが効果的です」
下剤の中でも、便を軟らかくする「機能性下剤」(酸化マグネシウムなど)なら、比較的依存性が低いといいます。薬局で相談してみましょう!
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