8月の中旬にベトナムに足を運び、現地の病院や医療体制を視察してきました。以前、ベトナムの要人の心臓手術を執刀したことがあり、その際に知り合った関係者から、「実際に視察して、ベトナムの医療に対するアドバイスが欲しい」という要望があったのです。
現在、ベトナムでも手術は一通り行われていますが、決してレベルが高いとは言えません。そのため、要人や富裕層はシンガポールや日本へ出向いて治療を受けています。しかし、医療体制を整えたり、治療経験を蓄積しながら、将来的にはベトナム国内で治療を完結させたいと考えているといいます。ベトナムで近代的な最新医療を行うことができるのか、そのために何が不足しているのか、どんな教育が必要なのかといったことについて、意見を求められたのです。2泊3日のスケジュールでハノイにある4つの病院を回ったのですが、やはり、現状ではなかなか難しい印象を受けました。4つの病院のうち、なんとか可能かもしれないという施設は1つだけでした。
天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」