「雨が近づくと古傷が痛む」という話もよく耳にします。がんが増え続けている昨今では、とくに手術痕が何年経っても痛むという患者が目立ちます。
気圧が下がって副交感神経が優位になると、体内の「ヒスタミン」と呼ばれる物質が増加します。ヒスタミンは血圧を下げ、内臓を構成する平滑筋を弛緩させる作用を持っています。それによって、体を休める方向にもっていくわけですが、同時に炎症反応を刺激してしまうことが知られています。
治っているようでも古傷の奥には小さな炎症が続いている場合が多いため、ヒスタミンの刺激を受けて痛みが増すのだと考えられています。また、傷痕の皮膚表面は冷気に敏感になっていることが多く、急な寒さを痛みとして感じてしまいます。
「痛みは早期死亡リスクを高めるのではないか」という議論が医学会にはあります。
秋は台風や秋雨前線の影響で、気圧が急激に下がることがあります。しかも、気温は冬に向かって下がり続けます。天気痛には要注意の季節です。
死を招く病気は秋に発症する