Dr.中川のみんなで越えるがんの壁

胆のうがんの渡瀬恒彦さん 第一選択の手術を受けない事情

渡瀬恒彦さんは主演ドラマ最新作撮影を降板(提供写真)

 西村京太郎サスペンスの十津川警部といえば、この人でしょう。俳優・渡瀬恒彦さん(72)で、これまでに54作品で演じてきたそうです。そんな名役者が、胆のうがんの治療を優先し、最新作の撮影を降板したと報じられています。

「女性セブン」によると、胆のうがんが見つかったのは昨年秋ごろ。久しぶりの長期休暇を利用して、都内の総合病院で詳細な健康診断を受けたところ、胆のうに腫瘍が見つかったようです。

 胆のうは、肝臓でつくられた消化液の胆汁を一時的に蓄える臓器で、食後に胆汁を十二指腸に流して消化をサポートしています。

 胆のうがんの初期は自覚症状がありません。別の臓器を調べるための腹部超音波検査でたまたま見つかるケースがほとんどです。渡瀬さんも、健診が功を奏したといえるでしょう。

 治療は、手術で胆のうを摘出するのが第一。進行具合によっては、リンパ節や肝臓の一部、胃や十二指腸、すい臓など周りの臓器も摘出することがあります。

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中川恵一

1960年生まれ。東大医学部医学科卒業。同院緩和ケア診療部長を兼務。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。