数字が語る医療の真実

緩和ケアにおける「ステロイド」の効果と副作用

 副作用については、程度の重いものについて見てみると、プラセボ群11に対し、ステロイド群17と統計学的な差はないものの、ステロイド群で多い傾向にあります。その内訳は、「全身倦怠感」と「痛み」の副作用です。

 疲労感に関するステロイドの効果は、副作用なく飲み続けることができれば十分期待できそうです。これは、臨床現場での実感にもよく一致しています。

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名郷直樹

名郷直樹

「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。