気象予報士の医師が教える“病気予報”

台風が引き起こす痛みは運動による血行の改善で予防する

 今年は台風の上陸数が多いです。気象庁の統計によれば、台風の年間日本上陸数は、1951年から2015年までで平均2.8個となりますが、今年はすでに5個の台風が上陸しています。

 台風は、発達した熱帯低気圧ですので、台風が日本に近づくと気圧が下がっていきます。通常の低気圧よりも気圧の下がり方が急なので、気圧の変化に敏感な方々は、頭痛や腰痛・関節痛などの痛みを自覚することがあります。

 低気圧で痛みが発生するメカニズムとして、人は内耳の圧センサーで気圧の低下を無意識に感じとり、交感神経系が活発化して痛みを強く感じるようになるのではないかと推察されています。

 痛みの予防は、痛み始める前に無理のない体操やストレッチなどで血行を良くすることが有効です。体をある程度動かして血行を良くしないと、疲労物質や発痛物質が体内に蓄積しやすくなるからです。

 サポーターなどで関節部の保温に努めるのもよいでしょう。