身近な薬の落とし穴

ステロイド外用剤は長期使用で思わぬ症状を引き起こす

 ステロイドが含まれた塗り薬を2週間使っても、皮膚の症状が治らなかった患者さんがいらっしゃいました。患部を見ると、赤みに加えて少しヒリヒリした痛みもあるようでした。幸い症状がひどくなかったため、いったん塗り薬を中止してもらったところ、2~3日のうちに症状が改善していきました。

 その患者さんは、塗り薬が皮膚に刺激を与え、赤くなる、腫れる、ぶつぶつが出る、ただれるなどの炎症を起こす「接触皮膚炎」だったのです。

 塗り薬の成分が皮膚に合わず、皮膚の細胞を障害する例も多くあります。つまり、かぶれを治すはずの塗り薬が、逆にかぶれを引き起こす可能性があるのです。もちろん、すべての人に起こるわけではありませんが、実際にそうした状態になった人は、本末転倒な気持ちになってしまうでしょう。

 水虫薬や消毒薬、痛み止めの塗り薬や貼り薬も、接触皮膚炎に注意が必要です。薬を使用していて、なかなか治らない皮膚症状がある場合、早めに医師や薬剤師に相談してください。

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中尾隆明

1985年、愛媛県生まれ。愛媛県立南宇和高等学校を経て岡山大学薬学部を卒業。2008年からこやま薬局(岡山県)で管理薬剤師を務め、現在は企画運営部主任として各店舗のマネジメントを行っている。8月に著書「看護の現場ですぐに役立つ くすりの基本」(秀和システム)を発売。