夏バテ胃腸は秋口に立て直せ

過敏性腸症候群には注目の「低FODMAP食」が効果的

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 夏場から胃の不調に悩み、医療機関で胃カメラ検査を受けたのに異常なし。しかし、実は「機能性ディスペプシア」という病気だったというケースを前回、紹介しました。これと同じようなケースが他にもあります。

 夏を過ぎたあたりから、すぐに下痢してしまう。頻繁にお腹が痛くなる。重い感じが続いている。医療機関で大腸内視鏡検査を受けたのに異常は見当たらず、医師は「問題ない」とあっさり……。こんな人は「過敏性腸症候群」かもしれません。この病気は、内視鏡で目に見える異常がないのに、下痢、腹痛、お腹のゴロゴロ(腹鳴)、ガスが増える、お腹が張るといった症状が表れます。日本では13・1%がこの病気を持っているという報告もあります。

 過敏性腸症候群は、機能性ディスペプシアと同じくストレスやトラウマが発症や悪化に関わっています。高学歴、高収入、社会的地位の高い人に多いのも、ストレスや緊張が関係していることの証しでしょう。夏休み期間中に大きなストレスを受けたり、つらい記憶を思い出してしまった人が発症したり、悪化するケースも考えられるのです。

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江田証

江田証

1971年、栃木県生まれ。自治医科大学大学院医学研究科卒。日本消化器病学会奨励賞受賞。日本消化器内視鏡学会専門医。日本ヘリコバクター学会認定ピロリ菌感染認定医。ピロリ菌感染胃粘膜において、胃がん発生に重要な役割を果たしているCDX2遺伝子が発現していることを世界で初めて米国消化器病学会で発表した。著書多数。