はしか、結核、梅毒…忘れ去られた病気はなぜ広がった?

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 海外と日本を行き来する人の数が急増している。政府観光局によると、7月の訪日外国人数は229万人。前年同期比19.7%増で過去最高となった。一方、出国した日本人数は142万7000人で、こちらも前年同期比8.9%増となっている。そこで注意しなければならないのは、外国から持ち込まれる「輸入感染症」だ。

 先月発覚した関西国際空港での麻疹(=はしか)感染騒動は拡大する一方だ。6日までに関空従業員を中心に医師や救急隊員ら35人が発症。そのうちの1人は泉佐野市のショッピングセンターを訪ねていたことが判明し、さらなる感染拡大がささやかれている。「日本医師会感染症危機管理対策委員会」委員を務めた熱帯医学専門医で、「おおり医院」(神奈川・足柄上郡)の大利昌久院長が言う。

「日本はかつて麻疹の輸出国として有名でした。ところが、麻疹・風疹混合(MR)ワクチンの2回接種が始まり、患者数が激減。世界保健機関(WHO)も昨年、“(日本は)排除状態にある”と宣言したばかりでした」

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