最近の研究によると、これらの細菌やウイルスなどの病原体に感染して程度が重い胃腸炎を起こした人は、病原体がいなくなった後も、長期間にわたって胃腸のつらい症状に苦しむケースがあることが分かりました。ひどい場合は、3カ月間も症状に苦しむ人もいます。
これは、細菌やウイルス感染で起こる胃腸炎の炎症によって、「胃のペースメーカー細胞」が壊れて数が減ってしまうことが原因です。胃の筋肉の層には「カハール細胞」という細胞があり、胃の運動やリズムを調節するペースメーカーの役割を果たしています。ひどい細菌性やウイルス性の腸炎によって、カハール細胞がダメージを受けて数が減ってしまうと、胃の動きが悪化してしまうのです。
この新しい病気の概念は、「感染後機能性ディスペプシア」と呼ばれています。症状が重い場合は、食事がとれなくなって体重が激減し、入院が必要になるケースもあるので、甘く見てはいけません。
夏バテ胃腸は秋口に立て直せ