Dr.中川のみんなで越えるがんの壁

小林麻央さんのブログにも? 乳がん検診「最大の問題点」

小林麻央さんはブログを再開(C)日刊ゲンダイ

 マンモ検診を受けた人には、「異常所見なし」「要精密検査」のいずれかが書面で通知されるケースがほとんどです。「要精密検査」は、乳がんかどうかはともかく異常が認められ、より詳しい検査が必要という意味で、他意はありません。

 しかし、「異常所見なし」には、「読影の結果として異常がなかった」というケースと、「異常があるかどうか読影できなかった(読影不能)」ケースがあるのです。

 マンモはX線で撮影する画像装置で、撮影された画像にがんがあると、白く写ります。脂肪が多い「脂肪性乳房」は、乳房が黒く写るため、色の違いからがんを見つけやすい。ところが、乳腺が密集しているタイプの「高濃度乳腺(デンスブレスト)」の乳房は、がんと同じように白く写るため、がんを見つけにくいのです。

 脂肪と乳腺の散らばりから、「脂肪性」「乳腺散在」「不均一高濃度乳腺」「高濃度乳腺」の4つに分類。前の2つはマンモでがんを見つけやすく、後の2つはがんを見つけられなかったり、読影不能になったりする恐れがあるのです。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。