夏バテ胃腸は秋口に立て直せ

睡眠が胃腸の調子を左右する

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 つまり、メラトニンをしっかり分泌させて質の高い睡眠をとることは、胃腸に良い影響を及ぼします。反対に、メラトニンの低下=睡眠不足は、胃腸障害の原因になるのです。夏場の熱帯夜で睡眠障害を起こしてメラトニンの分泌リズムが崩れていると、秋になっても不調を引きずるケースもあります。早いうちに対処して快眠を取り戻し、胃腸を立て直しましょう。

 メラトニンを増やすには、まず、朝起きたらカーテンを開け、光を目に入れてください。メラトニンは、光が網膜に当たってから15時間後に分泌が始まります。

 夜は部屋の明かりを暗くして、ブルーライトを出すパソコンやスマホは控えましょう。ブルーライトはメラトニンの分泌を低下させます。就寝前にスマホやタブレット端末で電子書籍を読んでいる人は、暗くなって増えてきたメラトニンを自分で減らしてしまっているのです。秋の夜長の読書は、紙の本に限ります。

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江田証

江田証

1971年、栃木県生まれ。自治医科大学大学院医学研究科卒。日本消化器病学会奨励賞受賞。日本消化器内視鏡学会専門医。日本ヘリコバクター学会認定ピロリ菌感染認定医。ピロリ菌感染胃粘膜において、胃がん発生に重要な役割を果たしているCDX2遺伝子が発現していることを世界で初めて米国消化器病学会で発表した。著書多数。