気象予報士の医師が教える“病気予報”

残暑と熱中症 6年前は9月だけで救急搬送7600人

 熱中症というと、「ピークは過ぎてもう大丈夫」と思われるかもしれません。しかし、まだまだ油断できません。

 総務省の報道資料によれば、残暑の厳しかった平成22年9月は、7645人が熱中症で救急搬送され、そのうち10人が死亡しています。今年も要注意です。

 熱中症とは、暑熱による体の障害の総称をいいます。ですから、熱中症にならないためには、まずは高温に注意しなければなりません。最高気温25度以上の日が1つの目安になります。また、多湿もよくありません。湿度が高いと、人間は汗をかいても汗が十分に蒸発できないので、気化熱が奪われず熱が体内にこもってしまうからです。

 深部体温が41.5度を超えると、細胞内でエネルギー(ATP)を産生するミトコンドリアの機能障害が起こるといわれています。

 対策としては、気温と湿度に注意し、汗をかくようであれば、体を冷やすようにしましょう。こまめな水分補給も重要です。コーヒーやアルコールなどは利尿作用が強く、水分補給とはなりません。気をつけましょう。