身近な薬の落とし穴

鼻炎薬には規制対象の成分が含まれているものも

 鼻水、鼻づまり、くしゃみなどのアレルギー症状は、一刻も早く止めたい非常にツラい症状です。そんな時、鼻炎薬に頼っている人も多いでしょう。いまはたくさんの種類の鼻炎薬が販売されているので、気軽に服用されています。

 しかし、中には注意が必要な市販薬もあります。たとえば、「プレコール持続性鼻炎カプセルLX」のように、クロルフェニラミンやプソイドエフェドリンなどの成分が含まれているものがあります。クロルフェニラミンは鼻水やくしゃみなどのアレルギー症状を緩和し、プソイドエフェドリンは鼻粘膜の充血や腫れを抑えて鼻づまりを改善します。

 何の問題もないように思えますが、プソイドエフェドリンは、実は“覚醒剤の原料”なのです。絶対に行ってはいけませんが、プソイドエフェドリンが入った薬から、覚醒剤であるメタンフェタミンの製造が可能です。実際、2010年にはプソイドエフェドリン系化合物が入った風邪薬を用いた「覚醒剤密造事件」が発覚しました。この事件では、2人のイラン人が逮捕されています。

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中尾隆明

1985年、愛媛県生まれ。愛媛県立南宇和高等学校を経て岡山大学薬学部を卒業。2008年からこやま薬局(岡山県)で管理薬剤師を務め、現在は企画運営部主任として各店舗のマネジメントを行っている。8月に著書「看護の現場ですぐに役立つ くすりの基本」(秀和システム)を発売。