気象予報士の医師が教える“病気予報”

「熱帯夜」と「糖尿病」 不眠が食欲を増進させてしまう

 最低気温が25度以上の夜を熱帯夜といい、東京では今月に入ってからも記録されています。

 さて、寝苦しい夜が続きますと、睡眠障害がストレスとなり、糖尿病などの持病に悪影響を及ぼす可能性があります。

 不眠は、食欲を増進させるグレリンというホルモンの分泌を増加させ、逆に食欲を低下させるレプチンというホルモンの分泌を減少させることが知られています。つまり、不眠が続くと食欲が増し体重が増え、血糖値を上昇させてしまうおそれがあるのです。

 一方、糖尿病により、手足がしびれたり喉が渇いたりなどして、なかなか熟睡できないこともあります。ようするに、糖尿病と睡眠障害は、お互いが原因となりうるという悪循環の関係にあるといえるでしょう。

 このような悪循環を断ち切るには、糖尿病の方は、普段から余計なカロリーを控え、適度な運動を継続することが重要です。睡眠障害に対しては、まずは規則正しい生活とエアコンの利用や快眠グッズなどですが、それがダメなら、かかりつけの先生に相談しましょう。