急性冠症候群のような冠動脈の疾患は、「危険因子」がはっきりわかっています。高脂血症(高コレステロール)、高血糖、高血圧、肥満、喫煙です。これらのリスクファクターを普段からしっかり管理していれば、突然死も防ぐことができます。
■危険因子を抱えた人が急増中
また、一度発症した後も、何をどれくらいコントロールすれば再発を予防できるかもわかっています。たとえば、LDLコレステロールがそうです。一般的には、LDLを「90㎎/dl以下」にコントロールすれば再発を防げるといわれていますが、当院では「70以下」に管理するとより明らかな再発予防効果があるというデータがあります。
LDLは、「スタチン」などのコレステロール低下剤を服用することでコントロールしますが、70以下に管理するためには、副作用をしっかり見極められる医師を選ぶ必要があります。コレステロール低下剤は、筋肉痛や関節痛、まれに筋萎縮や横紋筋融解症といった重篤な副作用を起こす可能性があります。70以下といったように厳格に管理すると、副作用を訴える患者さんが増える傾向にあるからです。
天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」