年を取ったらクスリを見直せ

薬によるリスク増 高齢者は若者に比べて副作用が出やすい

 高齢化社会が進む日本では、薬との付き合い方を見直す必要があるといえるでしょう。高齢者は一般的に、若年者に比べて薬の副作用が出やすいことが知られています。

 ある病院の入院症例では、「高齢者の6~15%に副作用などの有害事象を認めている」という報告があります。これは、加齢とともに薬への感受性が増したり、服用している薬の数が増えることが主な原因だと考えられます。

 薬は肝臓や腎臓によって代謝・排泄され、体外に出ていきます。しかし、高齢者は肝臓や腎臓の血流が悪く、臓器の機能が低下しています。つまり、若い頃とは違って体の中に薬がとどまりやすくなり、薬が効きすぎる危険性があるのです。

 また、加齢とともに抱える病気が増え、服用する薬の数も増えていきます。ある調査では、「70歳で平均6種類以上の薬を服用していた」との報告があります。服用する薬が増えると、薬の飲み合わせ(薬物相互作用)や、飲み間違いが起こりやすくなります。その分、薬によるトラブルが起こるリスクも増えるということです。

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中尾隆明

1985年、愛媛県生まれ。愛媛県立南宇和高等学校を経て岡山大学薬学部を卒業。2008年からこやま薬局(岡山県)で管理薬剤師を務め、現在は企画運営部主任として各店舗のマネジメントを行っている。8月に著書「看護の現場ですぐに役立つ くすりの基本」(秀和システム)を発売。