これで痛みを取り除く

カテーテルはバイパスより負担少ないが長期開存率に劣る

 一定の距離を歩くと、ふくらはぎが痛くなり歩けなくなるが、しばらく休むとまた歩けるようになる。この症状を「間欠性跛行(はこう)」という。下肢の動脈が動脈硬化で狭くなる「閉塞性動脈硬化症」の典型的な症状だ。

 間欠性跛行が表れるのは4段階の重症度分類でいうと、Ⅱ度の状態(Ⅰ度は無症状)。歩くと足の筋肉への血流が不足して痛みが出る。国際医療福祉大学三田病院・血管外科部長の小櫃(おびつ)由樹生教授が言う。

「Ⅲ度に進行すると、じっとしていても痛い安静時痛が表れます。夜眠れないほど痛いので、麻酔を使う場合もあります。そしてⅣ度になると潰瘍・壊死(えし)が起こる。こうなると最悪の場合、切断が必要です」

 生活に支障がなければⅡ度までは、動脈硬化の原因となっている基礎疾患(生活習慣病)のコントロール、運動療法、血管拡張薬などの薬物療法で様子を見る。Ⅲ度になれば積極的に根治療法を行う。それはⅡ度で切断が必要になる確率は5年後で数%程度だが、Ⅲ度以降では切断の必要性が1年後で約30%と跳ね上がるからだ。

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