これで痛みを取り除く

カテーテルはバイパスより負担少ないが長期開存率に劣る

「入院して行う根治療法には、『カテーテル治療(血管内治療)』と『バイパス手術』がありますが、動脈の閉塞している病変の場所や長さ、質によって適応が違ってきます。両方を組み合わせたハイブリッド手術を行う場合もあります」

 カテーテル治療は局所麻酔で、太ももの付け根などから下肢の動脈の中に細い管を挿入する。その管の先につけた風船で動脈の狭くなった部分を広げ、金属製の網状の枠(ステント)を留置する。一方、バイパス手術は全身麻酔で行われることが多く、手術で動脈の病変部分を自分の静脈や人工血管と置き換える方法である。

 一般的にはカテーテル治療から適応が検討されるが、再発を起こさない期間の5年開存率はバイパス手術の方が10~20%良い。たとえば腸骨動脈の場合、バイパス手術の5年開存率は90%以上だが、カテーテル治療では70~80%という。

「治療をすれば足の痛みは消えますが、重要なのは術後の基礎疾患の管理です。閉塞性動脈硬化症があると、狭心症などの虚血性心疾患または冠動脈疾患の併存率が約3割、脳卒中の合併率が約2割といわれています。足の痛みは、すでに全身の血管に動脈硬化が進行している危険サインでもあるのです」

2 / 2 ページ