本当は怖い!歯の病気

頬ずりやキスも感染路 歯周病はペットからもうつる

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「カミさんや子供は相手にしてくれない。俺をなぐさめてくれるのはおまえだけや」――。帰宅すると真っ先に出迎えてくれる愛犬や愛猫を抱きしめ、思わず頬ずりやキスをしてしまう中高年も多いのではないか。

 しかし、こうした行為が歯周病感染のキッカケになることを知っておいた方がいい。

 鳥類の免疫システムを利用して人や動物の健康サポートの研究を手掛ける「IRIG岐阜免疫研究所」の横山英明医学博士が言う。

「歯周病は人獣共通感染症のひとつで、犬や猫から人にうつったり、人からペットにうつったりすることがあります。これまでは犬に多かったのですが、最近は食生活や環境の影響で猫の歯周病も増えています」

 歯周病の代表的な菌のひとつが、ポルフィロモナス・ジンジバリス菌だ。表面に繊毛がある嫌気性菌で、歯ぐきにくっつきやすい。そこに歯垢がかぶさることで菌が増殖する。やがて分解酵素を分泌して歯肉組織の歯槽骨を溶かしていく。この菌を持っていると歯周病患者は5倍病状が進みやすい。

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