気象予報士の医師が教える“病気予報”

季節の変わり目と脳卒中 10度以上の温度差は服装に注意

 朝晩の気温が低下し、過ごしやすくなってきますと、秋の便りが聞かれるようになってきます。連日の猛暑や熱帯夜から解放され、体は楽になるような気がしますが、実は、このような季節の変わり目に注意すべき病気があります。「脳卒中」がそのひとつです。

「脳卒中」とは、突然に発症する脳血管の病気の総称です。「脳梗塞」「脳出血」「くも膜下出血」が代表的です。手足のマヒ、失語症などの症状が残ってしまったり、ときには生命にかかわることもあるので、ぜひとも予防したいものです。

 季節の変わり目には、北からの寒気と南からの暖気がせめぎ合い、寒暖差が激しくなります。気温差が大きいと、恒温動物のわれわれは、自律神経系を駆使して恒常性を保とうとして血管を伸縮させるなどした結果、血圧の変動が大きくなります。すると、脳血管が切れたり詰まったりして脳卒中となってしまうのです。特に高血圧の方は要注意です。

 対策は、天気予報を見て1日10度以上の温度差に注意し、服装選びに気を配りましょう。普段から塩分を控え、バランスの良い食事と適度な運動を心がけ、血栓予防のために適量の水を飲むことも重要です。