気象予報士の医師が教える“病気予報”

手洗い、うがい、マスクで季節の変わり目のかぜを予防

 秋がだんだん深まってきました。涼しくなってくると、体調を崩しやすくなりますので、体調管理に気をつける必要があります。

 かぜ症候群は、ヒトが最もかかりやすい病気のひとつです。自然に治ってしまうことも多いのですが、ときに肺炎へと重症化したり、持病が悪化したりすることもあります。とくに高齢者や体力の衰えた方、てんかんなどの持病をお持ちの方々は注意したほうがよいでしょう。「かぜは万病のもと」と言われるゆえんはそこにあります。

 かぜ症候群とは、急性上気道炎をさし、主にウイルスが原因です。ウイルスは、自らは分裂することができませんが、遺伝情報を持ちヒトの細胞内に侵入して急速に増殖します。そして、細胞外に放出されてまた別の細胞内に侵入するなどして増殖し続け、体内で一定の数に達すると、咳や咽頭痛、発熱といった症状が出現することとなります。

 ですから、かぜの予防は、ウイルスの侵入を防ぐことが最も重要です。まずは「手洗い」「うがい」「マスク」の3つの予防法を心がけましょう。