これで痛みを取り除く

盲腸はお腹を温めず食事も抜く

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 虫垂炎の治療で「薬で散らす」という方法をよく耳にするが、よほどの理由がない限り、その選択肢はないという。

「高齢者で重い基礎疾患があって、すぐに手術できないような患者さんでは、入院して絶食、抗生物質の点滴で2~3日様子を見る場合もあるでしょう。しかし、それで腹痛や炎症の進行が治まるようなら虫垂炎ではない可能性もあります。通常、虫垂炎と診断されれば手術で切除するのが基本になります」

 手術は全身麻酔で、施設によって開腹手術か腹腔鏡下手術で行われる。開腹での切開は3センチほど、腹腔鏡下では2センチほどの切開を1カ所と2~3カ所の孔(あな)を開けて手術する。

「手術の所要時間は軽症であれば30分くらいですが、癒着や穿孔(せんこう=穴が開く)があればさらに時間がかかります。入院期間も普通なら腹腔鏡下手術で3~4日くらい、開腹手術で約1週間。腹膜炎を起こしている場合には1カ月くらいの入院が必要です」

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