本当は怖い!歯の病気

歯を失うと何が起きるのか?

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「歯の数が少ないか、歯がない人は、多くの歯が残っている人と比べて、認知機能が低下していることが複数の疫学研究から分かっています。また、35歳以下の若いときに奥歯を抜いた人は、認知症リスクが上がるとの報告もあります」(前出の木村院長)

 これに関して広島大学大学院などの研究グループが興味深い報告をしている。アルツハイマー病のマウス21匹を「両側の臼歯を抜いた群」と「抜かなかった群」とに分けて、4カ月後の認知機能と脳組織を比べたところ、「臼歯を失った群は学習・記憶力が低下して記憶をつかさどる脳の海馬神経細胞が減少した」という。

「あくまでも動物実験の結果ですが、逆に言えば歯の喪失を防げば、認知症発症の予防や進行抑制につながるということです」(前出の木村院長)

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