ダイエットを科学する

極端な炭水化物制限 筋肉を減らしてリバウンドの悪因に

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「健康的にやせたかったら、炭水化物を含む穀物や芋類も取るべきです。脂肪の燃焼やLBMの維持に必要です」

 こう語るのは女子栄養大学短期大学部の松田早苗教授(食物栄養学科・栄養学)だ。

 LBMとは除脂肪体重のこと。体重から体脂肪量を引いた体の基本組織の重さを表す。

「ダイエットには、良いダイエットと悪いダイエットがあります。良いダイエットとは体脂肪の減少により体重が減少するダイエットをいいます。一方、悪いダイエットは体脂肪が減少せず、LBMの減少により体重が減るダイエット。不健康でリバウンドもしやすいのです」

 では、LBMを減らさないでやせるには、どうすればいいのか。

「本学では、創設者である香川綾が考案したバランスの良い食べ方『四群点数法』を推奨しています」

 四群とは、日常的に食べている食品を同じ栄養的特徴を持つ食品同士で大きく4つにグルーピングしたものだ。

 第1群は乳・乳製品、卵で、良質タンパク質、カルシウム、ビタミンA、ビタミンB2を含み「栄養を完全にする」働きを持つ。

 第2群は魚、肉、豆・豆製品で、良質タンパク質、カルシウム、脂質、ビタミンAを含み「肉や血を作る」働きがある。

 第3群は野菜、芋、果物で、カロテン、ビタミンC、ミネラル、食物繊維を含み「体の調子を整える」。

 第4群とは穀類、砂糖、油脂で、炭水化物、タンパク質、脂質を含み「力や体温となる」働きがある。

「量的にもバランスを保つため、食品のエネルギーを80キロカロリー=1点とします。『四群点数法』では成長期や身体活動量の多い方以外は、1群3点(乳・乳製品2点、卵1点)、2群3点(魚1点、肉1点、豆・豆製品1点)、3群3点(野菜1点、芋類1点、果物1点)で必ず摂取することとしており、1日に必要なタンパク質、ビタミン、ミネラルを第1群から第3群で摂取します」

 1日20点(1600キロカロリー)が基本点数なので、4群は11点(穀類9点、砂糖0.5点、油脂1.5点)になる。4群の摂取については各自の体重の増減を見ながら調整するという。

「点数ばかりを気にすると食事が苦痛になる方もいます。食事は一生のことですから、1週間単位で帳尻を合わせるといいでしょう」