看護師直伝 がん治療と笑顔で付き合う

がん死は怖い?

 今週末、「死の臨床研究会」の年次大会が札幌で開催されます。皆さんは、日常生活の中で真剣に「死」を考える機会はありますか?

 私たちは、生きている者にはすべて死や終わりがあることは理解しているのに、一方で「死」を怖いと捉えがちです。

 その理由として、①体験したことがない(することができない)②死に至る原因には苦痛を伴うものが多い③大切な人との関係や仕事や地位などを失う――などが大きいのではないかと思います。

 どんなにがん医療が進歩しても、「がん=死」という連想はなかなか捨てられません。特に、がんの告知、転移・再発、積極的治療ができなくなった場面で受ける衝撃は計り知れない。日常が一変し、当たり前のものが当たり前ではなくなってしまうのは、不安で孤独で他者の理解を得るのが難しい。仕事も家事も手につかなくなり、食欲が落ちて眠れない日々が続き、ネットの情報を見るたびに一喜一憂する――。

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