看護師直伝 がん治療と笑顔で付き合う

がん死は怖い?

 これがずっと続いてしまうのが「うつ」の状態で、前回は、精神医学的なサポートとしてサイコオンコロジーについてご紹介しました。

 私たちは普段、「死」があまりにもストレスの原因となるために、防御反応として考えないように脳が機能しています。でも、「死」を意識するからこそ、それと対である「生」の在り方も見えてくるのではないでしょうか。

 実際、がんが分かって嘆き悲しむも、一定期間が過ぎると、その事態を少しずつ受容できるようになり、さまざまなサポートを受けつつがんと一緒に生活している方もたくさんいらっしゃいます。

 良い意味で、日常が変わり、当たり前のものが特別に感じる。がんの分野ではこれを「キャンサーギフト」と呼びます。がんでも、がんでなくても、身近な小さな発見や喜びを少しずつ積み重ねていくというのは、とてもステキなことだと考えられます。

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