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【アレルギー疾患の漢方】日本医科大学付属病院東洋医学科

右は高橋秀実教授(C)日刊ゲンダイ

 アレルギー疾患といえば、鼻炎、結膜炎、気管支喘息、過敏性腸炎、アトピー性皮膚炎など。それに対して西洋医学で使う薬は、主に「抗アレルギー薬」「抗ヒスタミン薬」「ステロイド」。抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬の副作用は、眠気、喉の渇き、便秘などがあり、ステロイドは血糖上昇、胃炎、骨粗しょう症、免疫力低下などがある。

 これらの西洋薬に漢方薬を併用することで、西洋薬が減量でき、副作用も減る。最終的には漢方薬の服用だけで済む場合も多いという。

「たとえば、気管支喘息の料理人の患者さんでは、吸入ステロイドを使用していると副作用で味覚が変わってしまって仕事に支障が出ることがあります。その場合、漢方薬の併用によってステロイドの使用を最小限に抑えることができるのです」

 漢方薬は副作用が少ない代わりに、効き目がゆっくりでマイルドなイメージがある。しかし、そんなことはなく、即効性のある漢方薬もたくさんあるという。鼻水には「小青竜湯」、鼻閉には「辛夷清肺湯」、皮膚炎には「黄連解毒湯」、喉が痛い風邪には「銀翹散」などは、すぐに効く漢方薬の代表格だ。

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