妻が「末期がん」になったら

<3>自己負担が「月4万円」の窓口払いでチャラになる制度

カネの心配も妻にはつらい(写真はイメージ)/(C)日刊ゲンダイ

 末期がんで苦しむ妻を救うには、治療が欠かせない。がんの種類や病状によって、手術と抗がん剤、放射線をどう組み合わせるかが異なるが、末期がんとなると100万円超も珍しくない。莫大な医療費をどうやって工面するか――。

 土木関係の伊藤昌さん(42=仮名)は3年前、妻(40)のがん告知に目の前が真っ暗になったという。

「慢性骨髄性白血病でした。勤め先の会社で受けた健康診断で白血球の異常を指摘され、精密検査の結果、がん宣告されたのです。その前の年、子供を授かったばかりで、先生に『何としても妻を助けてください』と叫んだことは覚えています」

 妻を助けたい一心で医師に治療を託す。妻を、子供を、家族を守るためなら、夫として当然だ。「今は分子標的薬のグリベックというよく効く薬があります。これを使えば確実によくなります」と言う主治医の言葉が心強かったが、治療がスタートして愕然とした。

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