妻が「末期がん」になったら

<3>自己負担が「月4万円」の窓口払いでチャラになる制度

カネの心配も妻にはつらい(写真はイメージ)/(C)日刊ゲンダイ

「公的医療保険の自己負担額に一定の上限を設ける高額療養費制度を利用することです。上限額は年収によって異なり、例えば月収40万円の方で、毎月8万円ほど。この制度を利用すると、仮に月額100万円の医療費総額で自己負担が3割の30万円の場合、限度額との差額の22万円が還付されるのです。限度額に達する月が直近1年間に3カ月あると、4カ月目からは『多数回該当』で月額4万4400円に上限が下がる。勤務先の健保組合によっては、独自の付加給付を導入しているところもありますから、自己負担額はさらに下がる可能性がある。健保組合に相談することです」

 伊藤さんは告知当初、この制度を知らずに苦しんだが、病院のソーシャルワーカーに教えてもらって助かった。がん拠点病院なら「相談支援センター」に相談するのもいいだろう。

 ただし、高額療養費制度は、自己負担額をいったん支払った上で限度額の超過分を還付するのが基本だ。とりあえず、自己負担分を全額払う必要がある。教育費やローンがある人には、この出費は重い。伊藤さんも最初、後払いの還付にやられた。

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