妻が「末期がん」になったら

<3>自己負担が「月4万円」の窓口払いでチャラになる制度

カネの心配も妻にはつらい(写真はイメージ)/(C)日刊ゲンダイ

「会社の健保組合に申請して、『限度額適用認定証』を発行してもらいました。これを病院の窓口に提出すると、支払いが限度額で済み、多数回該当なら4万円ほどで済むのです」(伊藤さん)

 月額30万円の負担が4万円に圧縮されたら軽く感じられる。この制度を賢く利用すれば100万円の貯蓄で何とかなるが、40代は3割が貯蓄ゼロ。がん保険の加入率も4割と少ない。月額4万円さえきついのが現実だ。

「罹患後はがん医療費に気を取られがちですが、住宅ローンや教育費など家計の中で負担が重くなりやすい固定支出を見直すことも大切です」(黒田氏)

 がんとの闘いは長期戦だが、治療を保険の範囲内に済ませ、公的補助を利用すれば決して怖くないだろう。

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