放置でうつ症状も…老人の貧血には怖い病気が隠れている

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「消化管にできたがんによって出血し、鉄欠乏性貧血になることがあります。鉄欠乏性貧血になると、食道の上部3分の1の粘膜に薄い膜(食道ウェブ)ができます。そのため、食事がのどを通らなくなることがあるのです。また、貧血の人は認知症のリスクが上がることが、ドイツや米国などの研究で報告されています」(東丸教授)

 鉄分は神経伝達物質であるドーパミンやノルアドレナリン、セロトニンを合成するのに欠かせない。そのため鉄不足はイライラ感や疲れやすさ、注意力の低下といったうつ病と似た症状を起こすという。

 高齢者は貧血を軽く見てはいけないのだ。

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