妻が「末期がん」になったら

<4>気が動転しても、夫は仕事と看病の“同時進行”が肝心

最高の笑顔で(提供写真)

 パフォーマンタロウさんの妻の病状は一進一退が続いた。当時のブログにこうつづっている。

〈熱も毎日38.5度でているし、気持ちはどんどん落ちて不安定。言葉はどんどんキツくなる。俺も疲れがピーク。お互いにイライラしている〉(2013年4月22日)

 それでも、翌年9月には病院から一時退院の許可を得て、奥さんが行きたがっていた八景島シーパラダイスへデートにも出かけられた。写真のようにはじける笑顔を見せる彼女だが、この頃、体調は万全でなく、車イスでの移動だった。

 この写真の3カ月後……彼女は帰らぬ人となった。

〈2014年12月14日18時36分 妻は息を引き取りました。誕生日。妻らしい〉

 享年41。改めてパフォーマンタロウさんがこう言う。

「彼女を見たのは、ケーキの配達先であるレストランでした。僕のひと目惚れです。病院で苦しむ彼女を励まそうとピエロに扮したら、笑ってくれた。それがパフォーマーになったきっかけです」

 亡くなってから9カ月後、妻のスマホをようやく解約できたという。

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