ダイエットを科学する

医師も実践 1日16時間の“プチ断食”でやせられる

 米国発の「8時間ダイエット」がテレビの健康番組などで取り上げられ、大注目されている。この「8時間ダイエット」を自ら実践し、高血圧や糖尿病患者などにも提案して効果を挙げている「かたやま脳外科内科クリニック」(北九州市)の片山成二院長が言う。

「2年ほど前、このダイエット法をやって、約10キロの減量に成功しました。ただし、私が提唱するのは『8・16ダイエット法』です。1日のうち8時間以内に食べることを済ませ、あとの16時間は何も食べないプチ絶食法です」

 身長176センチの片山院長は、かつて体重が83キロまで増えた。病気予防のためのダイエットとして最初に取り組んだのが、糖質・炭水化物を多く含む食品をカットする糖質制限ダイエット。スタートして1年ほどで体重は75キロ前後まで落ちた。しかし、糖質制限が緩んだこともあり、その後、停滞期を経て再び体重が増加し始めたという。そんな時に知ったのが「8・16ダイエット法」だった。

「朝はあまりお腹がすかなかったので、朝食を抜くことにしました。昼は12時前後に食べ、夜は午後8時前後までに食べ終わります。16時間の絶食時間も含めて、水分は十分取ります。ただし、砂糖などを含むカロリーの高い飲み物はNGです」

 基本的には絶食(ファスティング)する時間が長ければ長いほど、インスリン値の減少やインスリン抵抗性の改善が見られ、ダイエット効果が高まるという。ファスティングによって、体は脂肪燃焼モードになり、内臓脂肪などの余分な脂肪が落ちていくからだ。

「とはいえ、どんなダイエット法もやり過ぎは体調を崩しかねません。ですから、私の勧める『8・16ダイエット』は無理はしない、どうしても食べたくなったら、食べたいものを食べるというやり方です」

 例えば8時間ダイエット本には、8種類のスーパーフード、つまり①卵と脂身の少ない肉②乳製品(ヨーグルトなど)③ナッツ(ピーナツ・くるみなど)④豆類⑤ベリー(イチゴ・ブルーベリー)⑥色の明るい果物(リンゴ・オレンジなど)⑦穀物(玄米・全粒粉パンなど)⑧緑の葉野菜の中から、1日2種類は必ず摂取する、となったりしている。

「しかし、万人に効果のある唯一のダイエット法はありません。『多くのダイエット法は、短期的には成功しても、長期的には失敗する運命にある』を前提に、栄養素も自身に合ったものを選択し、長続きすることを重視する。ただし、加工食品を避ける。確実に太るような精製された炭水化物や砂糖などはできるだけ減らす。良質の脂質をより多く取る。本当にお腹がすいた時にだけ食べる。それが基本です」と片山院長。

 片山院長はその考えでダイエットに成功、現在は68キロを目指しているという。