Dr.中川のみんなで越えるがんの壁

小林麻央はステージ4で手術 狙いは皮膚転移の症状緩和か

左はオフィシャルサイト「KOKORO.」から/(C)日刊ゲンダイ

 今回、手術を受けたのは、原発巣がある程度縮小したのではないでしょうか。それで、手術をして、目の前の症状を緩和することを狙ったのでしょう。ブログにも、「QOLのための手術」とあり、脇のリンパ節も併せて切除したとみられます。

 手術をしても、がんは肺や骨に転移しているため、腫瘍がすべて取り除かれたことにはなりません。麻央さんの手術が医学的に「姑息手術」と呼ばれるのは、このような事情からですが、処置としては妥当です。

■転院は繰り返さない

 奇跡を信じて前向きに治療に取り組むのはとても大切ですが、気になることもあります。「何度か転院しました」という点です。

 診断時に、よりよい治療法を探るためセカンドオピニオンを求めるのはいいのですが、いざ治療法を決めたら、できれば特定の医療施設で一貫して治療を受けた方がいいでしょう。「船頭多くして」という状況では、思い通りの結果を得られないことが少なくないのです。

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中川恵一

1960年生まれ。東大医学部医学科卒業。同院緩和ケア診療部長を兼務。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。