これで痛みを取り除く

【眼精疲労】老眼を我慢せず眼鏡は眼科で処方してもらう

(C)日刊ゲンダイ

 ひどく目が疲れて、目の奥が痛くなるなどの症状が表れる「眼精疲労」。その痛みを取るいい方法はないか。井上眼科病院(東京・御茶ノ水)の井上賢治院長が言う。

「目の疲れによる痛みは、目のピントを合わせる筋肉の緊張が続くことで起こります。ですからパソコン作業などは適度に休憩を取り、パソコンとの距離よりも遠いところを見て目の筋肉をゆるめてやる。目に蒸しタオルや温めるアイマスクを当てて、血流をよくすることも対策になります」

 ただし、眼精疲労の原因は、目の酷使だけとは限らない。背景に、近視、遠視、乱視、老視があり、眼鏡やコンタクトレンズで正しく矯正されていなければ目に負担がかかり、眼精疲労が起こりやすくなる。

「特に、これまで眼鏡を必要としてこなかった遠視の人は要注意です。遠視の人は近視の人よりも早く老視になりやすい。しかし、眼鏡に抵抗感を持つ人が多く、本当は老眼鏡が必要なのに眼鏡をかけずに見えにくいのを我慢して眼精疲労になるケースが多いのです」

“眼鏡が合っていない”ことも眼精疲労の原因だ。一般的に眼鏡を作るとき、85%の人は直接、眼鏡店に行って眼鏡を作っているとされる。その場合、少しくらい矯正が合っていなくても、若ければ自分の目の調節力で対応できるが、中高年となるとそうはいかない。目の調節力が衰え、せっかくの眼鏡がかえって目の負担になるのだ。

「何をもって“眼鏡が合っているか”は、その人の仕事や生活内容によって違ってきます。たとえば、パソコン作業が多いのか、車の運転が多いのかなど。しかし、実際はじっくり時間をかけずに眼鏡を作る傾向があり、眼鏡をかけた直後はよく見えるので納得します。しかし、数カ月たって過矯正によって眼精疲労の症状が表れてくる場合があるのです」

 眼鏡を作るなら、眼科でいくつかの検査をした上で、視力の補正だけでなく、生活スタイルに合わせた屈折調整の矯正をすることが大切。併せて、目に他の病気が隠れていないかを確認することも重要になる。

 涙の分泌量が減る「ドライアイ」も眼精疲労の原因になるという。

「目が乾くようなら、市販薬であれば防腐剤の入っていない人工涙液をさすのがいいでしょう。ドライアイには、眼科ではヒアルロン酸入り点眼薬や涙の分泌を促す点眼薬なども処方します」

 目にいいとされるサプリメントはいくつかあるが、気の持ちようで効く人には効くようだ。