世界で初めて全身麻酔下の乳がん摘出に成功した日本人

全身麻酔の様子(C)日刊ゲンダイ

 全身麻酔による乳がん摘出手術を世界で初めて行ったのは日本人だということをご存じですか? その名は華岡青洲。江戸時代の外科医です。今から212年前の1804年10月13日、60歳の女性に対して全身麻酔による乳がんの摘出手術に成功しました。それを記念して日本麻酔科学会は明日10月13日を「麻酔の日」と制定しています。

 華岡は手術での患者の苦しみを和らげたいと考え、麻酔薬の研究を開始。実験台となることを申し出た実母の死と妻の失明という犠牲のもとに麻酔薬「通仙散」を完成させました。その後、華岡は1000人を超える弟子を得て、麻酔の技術を教えました。ちなみに日本麻酔科学会のシンボルマークは「通仙散」の主成分である曼荼羅華の花になっています。

(弘邦医院・林雅之院長)

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