日常的な食事が薬に匹敵 心臓を救う「地中海食」の効果

 緑黄色野菜からは抗酸化作用の強いファイトケミカル、豆類やキノコ類からは食物繊維を多く摂取することができる。パスタなどのGI値(血糖上昇指数)の低い全粒の穀物は、急激な血糖上昇を抑えられる。

「また、地中海食は牛肉や豚肉のような脂のある赤い肉を控え、子牛や子羊などの肉を多く取ります。また、香りの高いハーブや香辛料をうまく使って塩分を控えた調理をする。また、ゆっくりと楽しみながら食べる傾向もある。こうした複数の効果によって、心血管疾患リスクが大きく軽減されるのです。すべてを厳格に実践するのは難しいので、1つでも2つでも『地中海食』を取り入れるといいでしょう」

 この話題は、欧州心臓病学会期間中に英BBCで世界中に放送され、地中海食と並ぶ“健康食”として、日本の和食も大きく取り上げられた。

「心血管疾患の大きなリスク因子である生活習慣病や肥満を予防・改善するために、ごはんを主食とした和食が再評価されています。和食でも魚が多く使われ、豆腐や納豆などの豆類、野菜も豊富で脂肪が少ない。ただし、塩分が多く、オリーブオイルが少ない。GI値が高い白米が多いといった欠点もあります」

 干物や漬物などの塩分を控える、オリーブオイルを積極的に使う、GI値の低い玄米や雑穀米を食べるといった工夫をすれば、和食も地中海食に匹敵する健康食になる。

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