ハイブリッド手術室で行われるTAVIの登場によって、これまでなら全身麻酔をして胸を大きく開いて行っていた治療が、大がかりな麻酔をせずに行えるようになったということです。それだけ患者さんの負担は小さくなり、術後の回復も早くなります。手術ができない超高齢や合併症を抱えている高リスクな患者さんも、治療できるようになったのです。
同じくハイブリッド手術室で行われる「ステントグラフト内挿術」も、患者さんの負担を大きく軽減します。腹部や胸部の動脈瘤にステントグラフトを留置して、破裂を防ぐ内科治療です。
従来の外科手術では10時間くらいかかっていましたが、血管内だけで処理できるようになったことにより、4時間ほどで済むようになりました。外科手術の場合は、胸を大きく開いて体の深いところにある患部まで進み、剥離したり出血を止めながら処置しなければならないので、どうしても時間がかかります。
天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」