マイクロソフトから1年遅れて、ITのもう一方の巨人、グーグルがPHRに参入してきました(Google Health:GH)。GHもMHVとほぼ同じ機能を持っていました。2大巨頭が出揃ったことで、「いよいよPHRが本格化する」と医療関係者や投資家の期待を集めたのですが、2012年1月に、グーグルが撤退を表明し、1年後には完全に撤退してしまったのです。先行のMHVはいまでも生き残っていますが、成功とは言いがたい低空飛行が続いています。
MHVやGHは「ユーザーが知りたいことに答えていない」のが失敗の原因といわれています。ユーザーが求めているのは病気のことではなく、「自分はどのくらい健康か」「より健康になるために何をやればいいか」ということです。そのためには、いまの身体状態をリアルタイムで計測できなければいけませんし、そのデータをリアルタイムで解析し、本人にフィードバックしなければなりません。残念ながら初期のMHVとGHには、肝心の「リアルタイム性」が欠けていたのです。
スマホが医療を変える