気軽に始めて依存症に 医師が出す“軽い安定剤”の落とし穴

医師の言葉に従って気軽に飲み始めてはいけない(C)日刊ゲンダイ

 つい先日、睡眠薬「ゾピクロン(商品名『アモバン』など)」と精神安定剤「エチゾラム(同『デパス』など)」に対して、「診療報酬上の1回の処方日数は上限30日」と定められた。一般的に向精神薬は法律で処方の上限が定められているが、これまでこの2種は、その対象から外れていた。 

 そのため、これまでこの2種類が乱用傾向にあり、厚労省の調査によると、ゾピクロンの平均処方日数は26.8日、エチゾラムは27日。全体を占める割合で見ると、31日以上もの処方がゾピクロンで16%、エチゾラムで15%もあった。90日超も、両方で1%あった。

 睡眠薬に依存性があるのは前述の通りだが、精神安定剤に関しても同様だ。睡眠薬と精神安定剤の大半は「GABA-A受容体作動薬」というメカニズムの薬で、精神安定剤が睡眠薬の代わりになる。

 現在、診療報酬上の1回の処方日数に加え、多剤併用を避けるために「睡眠薬は2剤まで。精神安定剤も2剤まで」という決まりがある。しかしここに、患者側がはまるのを避けるべき落とし穴がある。

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