スマホが医療を変える

ウェアラブル機器で血液検査は可能か

(C)日刊ゲンダイ

 ただ通販健診は、結果が出るまでに時間がかかります。いまのところ、キットの申し込みから結果が送られてくるまで、約2週間を要するといいます。できる限り早く結果を見たい人には、まだまだ納得のいくサービスではないかもしれません。

 しかし血糖値に限れば、すでにウエアラブルが実用化されています。アメリカのアボット社が開発した「フリースタイルリブレ」という製品が、ヨーロッパなどで大人気になっています。500円玉サイズのセンサーを腕に取り付けると、皮膚表面の体液を自動的に分析して、血糖値を推計してくれるのです。結果は専用の小型モニター(いずれスマホに代わると思われます)に送信され、連続したグラフ表示なども可能です。

 日本でも医療機器として承認申請が出されています。価格は未定ですが、数万円以内といわれています。発売されれば、糖尿病患者や、血糖値が気になる予備群の人たちが、すぐに飛びつくはずです。

2 / 2 ページ

永田宏

永田宏

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。