ダイエットを科学する

急激なダイエットは糖尿病、肝硬変、肝臓がんを招く

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 専門的には「低栄養性脂肪肝」と呼ばれるもので、若い女性や拒食症の人などがなりやすいことでも知られている。

「脂肪肝になると、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)になりやすいだけでなく、狭心症や心筋梗塞などの心疾患を起こしやすくなり、肝臓がんのリスクが高くなるといわれています」(松尾院長)

 また、肝臓には血液中のエネルギーをため込む以外に500種類ほどの機能がある。そのひとつが「糖分の貯蔵」で、脂肪肝になると糖分の貯蓄ができなくなり、血液中に糖分を流し込むことで糖尿病になりやすくなるという。

 では、ダイエットで肝臓にダメージを与えないためにはどうすればいいのか?

「体に飢餓状態がやってきたと勘違いさせない程度のゆっくりした体重減が必要です。月2~3キロのダイエットがベストでしょう。睡眠中は脂肪分解作用のある成長ホルモンが分泌されるため、6時間以上の睡眠を心がける。緑茶のカテキンは肝機能の指標のひとつである血清中酵素を活性化させ、NASHにも良い影響を与えるといわれています。積極的に飲むといいかもしれません。運動も大切です」(松尾院長)

 急激なダイエットは命の危険すらあることを覚えておこう。

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